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Valentine's Day 2011

ロンドンの1年でフローリストが忙しい日、バレンタインが終わりました。

今年のバレンタインは月曜日。数年続いた週末のバレンタインからようやく平日のバレンタインです。
スタジオでこもっての花作りだったこの1日、「いくつ作ったの?」と友人からメールをもらったのですが、そう言われても自分自身把握できていません。家に戻ってゆっくりすると、手に痛みを感じ、3個のトゲを発見。気がつかないほど作っていた、そんな感じです。
上の写真は、ガーデンローズ、香りがいっぱい。日の持たないこのバラをあえて注文する男性はどんな方なのでしょうか。
仕事からの帰り道、男性がお花を持って歩いている姿、女の子が誇らしげに花を抱えていると、嬉しくなります。日本もそんな習慣があるといいですよね。
今日はオフ。クレームがないといいなぁ・・・と思いながら家の中でのんびり休息中です。

月曜の朝


月曜の朝3時半に家をでて、スタジオ(職場)に向かいます。
冬の3時半はまだ夜中、月曜の朝というより、日曜の夜半と言うべきかもしれません。
スタジオにつくと、コーヒーを片手にその場で活け込む花を作り、その後契約先で活け込む用の花や花器をバンにつめます。小さなバスルームに飾る花から、梯子を使って活け込み大きなものまで、いくつもいくつも準備をします。契約先によって全く好みが違うため、久々なので細かくチェック。
2人で1組の日もありますが、今日はナメあし1人でバンに乗り込んで、ロンドンの街を走ります。久しぶりの大きなバン、マニュアルの運転、月曜の渋滞と花のこと以外に考えることが沢山。契約先を10か所程度、その先々でいくつかの花器に活け込むので、それぞれの場所での時間もかなりタイト。1つトラブルがあるとそれを最後まで引きずってしまいます。今日は完璧と思っても、花材の変更、花器が割れた、断水、などなどドラマが多いのが、なぜだか月曜日の朝のです。

これは朝6時半。だんだん空が明るくなってきます。この時間のオフィスはお掃除している人、会社によってが朝ご飯を用意している人などが忙しくしています。

朝9時前。金融街のあたりはいつも車も自転車も歩いている人もあわただしい。
朝早くて眠いし、特に冬はつらいのですが、この経験のおかげで大抵のことは動じなくなりました。
最初は、汚い花器を洗うだけ、花を切るだけ。同僚との英語の会話も成立しない気まずいバンの中。何をしているのだろう・・・途方にくれる日が多かったのがステップバイステップ。今はフリーになり毎週ではなくなっていますが、連絡がくると絶対に断らない、ナメあしにとって大切な仕事です。

ガラスの器

話が少し戻りますが、ロンドンに戻る前の日本でのこと。

ナメあし母は可愛いものや小物が大好き。そんなお気に入りの中にこの美しいガラスの抹茶茶椀があったのですが、ある時気がつくと修復したあとが・・・。お掃除の際に割ってしまったそう、かなりの落ち込みだったことでしょう。

それでも自分の力でなんとか修復させて、今もお気に入りの場所におさまっています。
帰国直前に出かけた花市場で色々は春の花々見ていたらこの器にいれてみたくなりました。

水を入れた器は、光線によって違う色に様変わり。最初は室内で撮影していたのですが、外にでてみることにします。

春の花は香りがあるものが多く、こんな小さなブーケなのに清々しい、優しい気持ちになります。

器は、修復したことによってさらにストーリーが生まれました。アンティークと呼ぶにはまだ少し時間がかかりますが、その予備軍なのは間違えなし。そういうことも含めて器を大切に使っていくことが古いものを楽しむことだなぁ、と改めて思います。

ラナンキュラス

「好きなお花は?」、よく話題になる話。ありすぎて選ぶことは難しいのですが、ラナンキュラスは好きなお花の1つ。ブーケの中に、1本でも飾ったりとマーケットで見かけるとついつい手にします。

ラナンキュラスはぷっくりとした花の様が特徴。幾重にも重なるこの花、開ききったときも美しいのですが、つぼみも可愛いのです。最近は大きな花顔のものが増え、お店に並ぶと、バラや芍薬と間違えられる方も多く、春の球根花の代表格です。

こちらはペール色の優しいブーケ。
クリスマス、お正月と華やかな色合いの花々が続いたあとはこんなブーケを作りたくなります。

こちらはイエローのラナンキュラスを中心に、元気いっぱいのブーケ。

特にここ数年の日本のラナンキュラスの質の良さ、色の豊富さはすばらしく、毎年楽しみにしています。
今年の日本の冬の寒さは格別。花市場にでかけるのもちょっとつらいのですが、行ってみると春の花が並んでいて、春がすぐそこ、と実感します。

シクラメンのブーケ


花市場にシクラメンの切り花が並んでいます。冬の鉢物と言えば、シクラメンですが、切り花・・・花持ちはどうなのでしょうか。お店の人は「長いですよ~」と太鼓判、まずはテストにと購入です。

フリルいっぱいの可愛いシクラメンのブーケ。花持ち、大変よく、驚きます。
茎は短いのですが、間もなくきっと開発の力で長いものが市場に並び、鉢物同様に、冬の切り花の代表格になるかもしれません、楽しみです。

日帰り 福岡 

昨日は日帰りで福岡に出かけてきました。

到着してすぐに、九州日観植物株式会社に出かけます。こちらの西川社長と父が懇意にしていただいたことでナメあしも大変お世話になっています。
花の仕事をロンドンで始めたころから、「ご挨拶に一緒に行こう」と何度も言われていたのに結局実現ができないまま日が過ぎて。やっと実現です。
こちらは、西日本における園芸植物流通の拠点として、花き植物取引場として40年以上過ぎているそうです。植木から切り花、資材まで何でも揃っています。

ちょうどこの日は火曜日で残念ながら競り日ではなかったのですが、広大な敷地をゆっくり見せていただきます。

クリスマス前とあってももう既に市場はお正月。松や梅の大木や、門松などを生産者の方が翌日の競りに向けて納品中です。
お花のことはもちろんですが、父の思い出話も伺え、楽しい時間でした。
もう少しお話したいな、と思いながら次の目的地へ移動をします。

福岡初のナメあしにとって、電車の路線図も可愛く見えて。この駅の上の絵柄は何か意味があるのでしょうか?

天神駅すぐのACTUS様福岡店へ伺います。

ありました、ありました。そして、担当の方ともゆっくりお話もでき、店内を見させていただきます。
居心地がよく、気がつけばかなりの時間・・・そうです、電車に乗らないと・・・。

慌てて外にでると、急ぎ足のサンタクロースを発見!
結局観光も、美味しいものも食べないまま福岡を後にしました、絶対にまた遊びにこよう!と誓います。
福岡も日帰り可能ですが(しかも新幹線)、お勧めはしません。

TINTIN ロケット

職場から、「明日ロケット作るから絶対休まないでね」と留守電が入っています。
ロケット????
こういう時、ナメあしはまず自分の英語力を疑います。ロケットなんて言うわけないか・・・と。
翌朝、理由がわかります。
『TINTINの冒険旅行』をみなさんご存知でしょうか?
TINTINの冒険シリーズは、1929年コミック作家エルジェによってベルギーで誕生しました。主人公の少年記者TINTINと相棒の白い犬スノーウィが世界中を旅行し、事件に巻き込まれるお話。未完を含めた24話の物語は半世紀を以上たった今でも、80カ国以上の言語に翻訳され、世界中の人々に愛され続けています。

この絵をみていただければ、お話を知らなくても、ああ、この男の子ね、とわかる方多いのではないでしょうか。
ご家族からのオーダーで、お父様の葬儀に、TINTINのお話の中で登場するこのロケットを作ってほしい、とのこと。子供のころからお父様が大好きだったこの漫画、部屋には沢山のコレクションがあるそうです。

朝これをまず、渡されます。のこぎりと板が必要です。このあたりは同僚が得意。あっという間に土台が出来上がります。

そして、オアシスをロケット型に組み込み、ひたすらずっとずっと赤と白のカーネーションを挿します。こういう単純で根気のいる作業はナメあし向き。「だから絶対に休まないでと電話したでしょ?」と言われます。
途中、予想以上に大きなロケットで花が足りなくなります。花マーケットは既に閉まっている時間、仕方なく近所のお花屋さんからスーパーまで皆が手分けをして買いにいき、その間1人ずっと挿し続けます。

お届けの時間ぎりぎりに完成。
背丈よりも高いこのロケット。バンに乗せるのも一苦労。そして倒れないように、ナメあしが運転、同僚がロケットを支えながら横に中腰で座りの配送です。
ご家族はロケットを見るなり、大歓声。「Wow, well done・・・」、次第に涙声。
「このロケットで父は安心して旅立てるよ、本当にありがとう」と息子さん。ナメあしも同僚も涙涙。疲れも何も吹っ飛びます。
最期の旅立ちはこんな素敵なことできるといいですね。日本も少しづつ、形にとらわれないやり方が増えてきていますが、思いのあるものが気軽にできること、悲しい時だからこそ、そんなご家族の願いがかなえられたらいいなぁ、といつも思います。

赤い花 for ビジネスランチ

午後のビジネスランチに花が必要、ということで大至急のご注文。しかもクライアントが赤い花が好き、だそう。急いで作ってそのまま配達です。

ビジネスランチとは、 仕事の打合せのためのランチのこと。そこでお花を置くことに重きをおいていることは、かなり稀なケース。どんな打合せかな・・・、とも思いますが、ちょっと素敵ですね。

オレンジに近い赤いダリアとダークレッドのバラ(ブラックバカラ)を中心に、秋色アジサイや実ものを使って秋色に仕上げます。

花器は赤いキューブ型。当初、花器は返却してもらう予定だったのですが、午後にご依頼主から電話があり、先方が花を気に入り、そのまま滞在先のホテルに持ち帰ったそう。そんなことで花器代金が追加で支払っていただきます。

大切な取引も無事に済んだようです、何だかホッとします。

photo shootingとアイロン掛け

ポーラからphoto shooting(撮影)のアシスタントの依頼があり出かけます。

人気の大手ちょっと高級スーパーの Waitroseの店舗で売られているお花を使ってのアレンジ。クリスマスに向けて、サイトやチラシで使われる映像と写真を撮ります。

Waitroseのお花は、ナメあしも、職場からのお花がないときなど購入しますが、他のスーパーよりダントツでお花が新鮮だったり可愛いブーケが売っています。

こうして入口に大きくスペースを構えていて、人気のアイテムだということ一目瞭然です。ご自宅用に、また急にお呼ばれでお花を買っていかれる感じだったり、気軽でお値段も程よい、ということが人気の理由でしょう。こういう場所があったり、ナメあしが働くようなお花屋があったり、買う方のシチュエーションでお店を選べることが、生活にお花が溶け込みやすくしているのかもしれません。

朝スタジオに出かけてみると、何を作るか何も決まっていない、とのこと。でもナメあしに、「まずはコーヒー飲もう! クッキー、あるわよ~」などと余裕です。

Waitroseより配達された花を見ながら、その他の資材に予算もかけず、身近にある、誰もが真似できるものを作ることが前提、だそう。クッキーを片手に、花器はジャムの瓶など、色々候補をあげたのですが、結局ベークト・ビーンズ(英国人に人気)の缶を使います。ポーラのキッチンにあった缶の蓋をあけ、中身をだしたのですが、ラベルを見たら大変! 他社のものでNG。急いできれいにラベルを剥がします。

まずは、映像のスタッフが作る工程を動画撮影。色々細かい作業が多かったのですが無事に終了。午後からはその同じ作品をカメラマンが写真撮影です。

しばらくするとテーブルクロスがないかな・・・、とカメラマン。慌てて近くのお店まで走ります。ところが最後の一枚を購入したので、沢山のしわがあり、今度はポーラとアイロン掛けです。

ナメあし「アイロンは2号が上手だから、ナメあしは全くしないのでやや心配・・・」とポーラにこっそり告白。「あら、ナメあしラッキーね」なんて話してみんなのところに戻ってみると、ポーラは早速、ナメあしのアイロンしない話を大暴露。カメラマンも「確かに、ちょっとこれは・・・」と、とうとう自分でアイロンをかけ始めます。

写真の奥、白い布はポーラが、赤い布はナメあしが。確かにしわあり・・・・ですね。

撮影も無事に終了。最後にお別れのとき、カメラマンの彼に「アイロン掛け以外はパーフェクト! 日本人は何でも器用にできると思っていたけれど」と。大変、これでは日本人はアイロン掛け下手だと思われてしまう。慌てて「ナメあしは例外だから!」と声を大にして伝えます。

クリスマスリース ワークショップ

 12月15日水曜日、オルモストアンリアル主催のクリスマスリース講習会を予定しております。ロンドンの街、ウィンドーや洋服などを見ながら今年のテーマカラーを決めます。

テーマカラーは ホワイト&シルバーゴールド。
たくさんのエバーグリーンを使って、クラシックなだけではない、香りいっぱいのリースです。
チャーミングなエンジェルは、プリムローズヒルのナメあしのお気に入りの雑貨屋さんで購入。大量買いにお店の人もびっくり。

金曜朝は、さらに何かないかな、と花市場に出かけます。この日は仕事はオフだったのですが、「市場に行くならバン使っていいわよ。」とポーラが声をかけてくれます、本当に応援してもらってありがたいことです。
日本ではなかなか見ないライムのスライスを買ったり。リボンはミラノで購入。
どうやって持って帰るのでしょうか・・・。でもせっかく来ていただく方に素敵なものを作っていただきたいのです。

ご予約、お問い合わせは info@almostunreal.jp  までご連絡下さい。