almost unreal

BLOG

記事一覧

スィートメモリー

悲しみごとのお花のご注文をいただきます。
ナメあしは父を亡くして以来、このお花についてはさらに思い入れが強くなりました。葬儀屋さんにお願いすれば、便利で楽なはずなのに、こうしてわざわざご注文をいただいたことに感謝しながら。
故人を偲ぶ、旅立ちにふさわしいお花を。残された家族の悲しみが少しで和らげる何かになれば、気持ちを込めています。
ねこを大変可愛がっていた優しいおばあさま。メールでこのようなメッセージとねこの写真が届きます。
そしてこのアレンジ。ねこに見えますか?ちょっとオシャレなリードをつけたかなり太ったねこと思って再度見てください。。

また、この日の花市場の仕入れで 『百合 スィートメモリー』を見つけます。
小ぶりで、やや下向きかげんに咲く、このピンクの優しい百合。カサブランカのような大輪で華やかさはないのですが、森の中にひっそりと咲いていそうなそんな花です、そして甘い香りも広がります。

優しいおばあさまにはぴったりのお花。ピンク・ブルー・パープルのアジサイと一緒に仕上げます。
その日夜、お忙しい中、ご注文者からご丁寧にご連絡をいただきました。
ねこは、皆様の気持ちをなごまさせ、そしておばあさまと一緒に旅立ったそうです。

日本の夏


残暑お見舞い申し上げます。
英国に住んで11年、初の8月まるまるの滞在、暑さにこたえています。
同じく暑さに参っている愛犬のあずきを連れて名ばかりのお散歩にでかけます。
今朝はあずきが木を見上げて吠えています。

目を凝らすとせみのぬけがら。
思えば、英国でせみを、あの鳴き声を聞く機会はほとんどありません。気温の関係なのでしょうか。
だから、せみは、ナメあしにとって日本の夏の象徴。短い命、どんどん鳴いちゃって!という感じです。
しばらく眺めていると、用をたしたあずきは、暑さの限界か、リードをひっぱり家に戻りたがります。
お散歩といっても5分程度、それでも新しい発見がいつもあります。

芸術の花 ひまわり

夏の花、ひまわり。

暑い中も元気に咲く花にはパワーがあります。

好きな花として名前がよくあがる花。そのせいか、多品種のひまわりが出回っています。
ひまわりといえば、 ゴッホのひまわり

この下のひまわりの名前は 『ゴッホのひまわり』。デフォルメがかかった絵画と比べると少し繊細ですが、半八重の幾重にも重なる花びらで一輪一輪の表情が異なるため、ゴッホの絵に近いものがあります。

同じ品種なのに、色も多少異なります。

こちらのひまわりは、『 モネのひまわり』と呼ばれています。

印象派の画家クロード・モネは、自然や植物をこよなく愛し、その息吹を瑞々しく描いたものが多く、このひまわりも優しい雰囲気を持っているように感じます。

こちらは別に日に使ったものですが、『 ゴーギャンのひまわり』。

細い花びらが特徴的なこのひまわり。言われてみれば、あの自画像のタッチに似ているのかもしれません。

夏柑糖

京都の母のお友達より 老松さんの夏柑糖(なつかんとう)をいただきます。

山人艸果(さんじんそうか)と書かれた のし紙。
山人艸果とは、「日本原産の作物や、古くから食されてきた素材に注目して、創菓しました。」という老松さんのメッセージ。
また、この緑色の大きく描かれた葉は、「葉盤(ひらて)」といい、古代菓子は、木の葉を円くつないだこの皿に供した、とも書かれています。

使用しているフルーツは、希少価値の夏みかん。そして、ゼラチンでなく、寒天で作っていることが最大の特徴。全て手作業だそう、一緒についているご案内状だけ読んでも心意気が伝わります。

酸味の効いたさっぱりした中の甘さ、口の中にいれた溶け具合も、ゼリーと異なるもの。つるつる、すべすべ・・・。あぁ・・・・表現がなんて乏しいのでしょう・・・。
季節限定のこのお菓子。暑い夏でふう~ですが、この季節に滞在していて得したなぁ、と感じるひと時です。

ハスの花

お盆を週末に控え、花市場にハスの花(蓮華れんげ)が並び始めます。
蓮華は、インド、スリランカの国花。
泥の中からすっと生え、気高く存在感たっぷりと咲く花。
葉の表面は、桃の実の皮のようにうぶ毛で覆われていて、水が葉に落ちても、直ぐ水滴になって葉からこぼれます。
美しい花、水を弾く凛とした葉・・・といった姿が、「俗世の欲にまみれず清らかに生きることの象徴」と捉えられたそうで、ヒンズー教、仏教と宗教とは深いつながりのあるシンボル的な花です。

つぼみの状態で市場で売られます、残念ながらつぼみから、花を咲かせるのは難しいのですが、つぼみのこのぷっくりな様とピンクパープルのグラデーションとグリーンの美しさ、納得です。

地下茎が肥大したものが、ご存知の通り、蓮根(れんこん)です。

輪切りにすると、よくわかります。
穴があいていることから、先が見える、見通しがきく、縁起の良い食べ物とされ、お正月や慶事に用いられるそうです。調べてみるとより一層奥の深いお花です。

Gone Fishing…

とてもとても暑い夏、皆様いかがお過ごしですか?
英語には「gone fishing」という表現があります。
要は「外出しています」という意味なのですが、こう書くことで「いつ戻るのかわからないくらい、お気楽に外出中」というニュアンスになります。
こんな暑い日には「gone fishing」とだけメモを残して涼をとりに出掛けてしまいたいですね。
皆様にとって、素晴らしい夏となりますように!