The Urasenke Chado Traditon
知り合いの方から声をかけていただき、大英博物館での裏千家15代鵬雲斎お家元の講演をうかがいにでかけます。
講演の前には、椅子席でお薄をいただきます。日本人ばかりかと思いきや意外にも多い外国人、茶道の心得は外国人からみるとどう感じるのでしょうか・・・そんな思いで講演会場に入ります。
ホールには、「略式ですが」とおっしゃってましたが、お茶室が作られ、お話のあとに、お家元の解説付きのお手前が見られました。
お話は、大変わかりやすく(しかも完璧な通訳の方がいらして、英語で聞いていてもなるほどな解説です)、思わず言葉を書き残します。
印象的だったのは、掛け軸のお家元が書かれた『無』という言葉。
人間はついつい欲がでて、わがままになりがちだが、無になってこそ、人間として色々なことを学べる。常に無になることを心がけなければならない、とのこと。
また、『恥を捨て人にもの問い学ぶべし、これぞ上手のもとなりける』
利休の言葉を紹介してくださいます。この英国の地で、改めてお話をうかがうと言葉に重みがあり、まさに一期一会を感じる一日でした。
おもてなしの心から一つ一つに意味がある、茶道のお作法。堅苦しいと敬遠されがちですが、意外にもシンプルな気持ちからの表れ、また英国のアフタヌンティーの文化と合わせての茶道の紹介は日本人だけでなく外国人の方にもなるほどと思わせるお話だったようです。
最後に質問コーナーがあったのですが、外人の方の1人は 「岡倉天心のお茶の本を読みましたが・・・」などと博識ある方ばかり、頭がさがります。
この日のお茶花は、英国で用意されたという花々。
むくげ、りんどう、しょうま、すすき・・・お茶花を集められるの大変だっただろうと想像しました、おもてなしの心ですね。