海苔巻
1年に一度、父の話にお付き合いください。
父の大好きな西新橋のお寿司屋さんへ、父抜きで家族で初めて出かけます。
そこは思い出が多すぎでなかなか重い扉でしたが、ご主人にもお会いしたい、あそこのお寿司が食べたいとみんなを招集します。
父はカウンターに座って、ご主人と沢山話すでもなく、いつもボソボソとお魚の話をしていました。何も注文しなくても阿吽の呼吸で父の好きなものが並び、出されたものを噛みしめて食べるのが父流。この日はその大ご主人はいらしゃらず、お電話でお話をします。何度も、「お待ちしていました、うれしい、うれしい」とかすれ声、こちらもつられてしまいます。
最後の締めは、いつもお決まりで ガリの細く切ったものとかんぴょうの海苔巻。父はそれを食べると「海苔がうまいなぁ」と、ご主人にお話しします。お魚をほめるでもなく、ナメあしは申し訳なく、恥ずかしかったのを思い出します。それが今回最後に巻物を頼んだら本当にその『海苔』が本当に美味しかったこと!
いつも父のつけで食べていたこのお店、いくらするのだろう・・・・ドキドキです。
「ありがとう」とお店をでて、正面にあるお稲荷さんにお賽銭を入れる姿がなく、ちょっとさびしいけれど、ナメあし久しぶりのコハダに大満足です。ゆっくり前進です。

















